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【要チェック!】医学部の面接試験の合否を分ける「面接の作法」とは?
2020年度の入試からすべての大学の医学部で実施されるようになった面接試験。
面接試験では回答の内容はもちろんですが、面接の作法を間違えると大きく減点されてしまうことがあります。
逆に言えば、正しい面接の作法を知っている、できているだけで他の受験生と大きく差をつけることができます。
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医学部の面接試験は入室の瞬間から始まる! 超重要な第一印象を上げるコツ
面接試験は質問の答え方に着目されがちですが,入室の瞬間から採点は始まっています。
入室の時点で面接官に与える第一印象は,合否を大きく左右します。
ここからは,第一印象が重要な理由と第一印象で好印象を与えるコツをご紹介します。
なぜ第一印象が重要なのか
人間の心理的に, 第一印象が良かった場合, 続く質問の回答を通して, 自分の印象を裏付けたいと考えます。
面接官は第一印象と質問の回答とを照らし合わせて「ほら, やっぱりいい子じゃん」と自分の第一印象を肯定したいと思うものなのです。
つまり, 第一印象が良ければ,続く質問の回答でも好印象を与えやすくなるのです。
医学部の面接で第一印象を上げるコツ1.
声量と表情・仕草で大きな差がつく
面接室に入室する際, 大きな声で, 「失礼します」と言うだけでもライバルに差をつけられます。
簡単なことですが,できている人が意外に少ないので注意するようにしてください。
そして, 面接官と目を合わせた時,ピシッとした姿勢と機敏な動作, 明るい表情 が出せれば, もう大丈夫です。
これは大袈裟ではなく,人と人のコミュニケーションにおいて55%は視覚情報によって影響を与えるという心理学の法則もあります。仕草や表情が与える影響はとても大きいのです。
逆に, 声が小さい, 姿勢が悪い, 動作が緩慢, となるともう最悪です。
いくら質問に的確に答えることができても, 面接官はあなたに好意を持ってはくれません。
「ほ〜ら, やっぱり暗くてコミュ力ないよな」とか思いたくなってしまうのです。
普段から, 鏡に向かって表情の作り方(口角を上げるとか)を研究しておくと効果的ですよ。
医学部の面接で第一印象を上げるコツ2.
身だしなみは必ず事前にチェックする
見た目は,面接試験において非常に重要な要素です。ここで言う見た目とは,身だしなみのことです。
- 服に埃がついていないか
- 肩にフケがついていないか
- ネクタイは曲がっていないか
- 髪は整っているか
- 爪は切ってあるか
- 靴は磨いてあるか
- カバンは汚れていないか, チャームなどつけていないか(特に女子)
など,細かいところまでチェックしましょう。
試験会場についても, 必ずトイレなど鏡のあるところで外見を確認しておくことを勧めます。
ちなみに, 東京慈恵会医科大学の医学部二次面接では, 携帯電話を提出するそうですから(もちろん試験が終了すれば返却されます), 画面がヒビだらけだったり, ケースが派手な人は改善しておきましょう。
医学部の面接で第一印象を上げるコツ3.
入室・お辞儀・座り方の正しいやり方
それでは,実際に入室から入室後の正しいやり方をご紹介します。
入室の正しいやり方
ドアがあればノックは3回(2回はトイレ!?), 「どうぞ」が聞こえたら, ドアを開ける前に中にいる人に聞こえるように大きな声で「失礼します!」と言ってからドアを開けます。
きちんと両手でドアを閉めます。後ろ手はNGなので注意してください。
振り返り, 気をつけの姿勢(腕はまっすぐ, 体側にピッタリ付けて指は開かずまっすぐ, または軽く握って, 女性は臍の位置くらいで左手を上に重ねた形もOK), 「受験番号〇〇, (氏名)です。本日はよろしくお願いします」と元気に笑顔で挨拶しましょう。
お辞儀の正しいやり方
挨拶が終わったら,面接官全員の顔をきちんと見ます。そして, 一礼。
気をつけるのは声を出しながらお辞儀をしないこと。
言い切ってからお辞儀をします。慣れていないと首から突っ込む形のお辞儀になりみっともないので, 鏡などに横姿を映して練習しておきましょう。
お辞儀は腰から曲げるのがコツです。
大体30度くらいまで曲げる練習をしておきましょう。
この時, 落ち着きと明るさが出れば最高!
着席の正しいやり方
着席を促されてから, 「失礼します」または「ありがとうございます」と言って, 着席します。
背もたれに寄りかからず, 背中はそらしておきましょう。
男性は肩幅くらいに足を開き, 手は軽く握って腰のあたりに自然に置く。
女性は膝を閉じて, 踵とつま先を揃え(つま先はやや開いていてOK), 両手を重ねて(左手が上です!), やはり腰に近い位置に置く。
猫背にならないよう, 肩を少し張るくらいにし, 頭は上から糸で引っ張られているくらいの感じで。
そしてやる気を伝えられるように, 大きな声で「よろしくお願いします」と言ってから, 面接官の質問を受けましょう。
回答内容よりも合否を分ける!? 印象の良い答え方とは?
着席まで完了したら,いよいよ面接が始まります。
回答内容ももちろん大切ですが,それよりも大切なのは質問への答え方です。
どれだけ素晴らしい内容の回答でも,印象良く伝わるかは答え方次第なのです。
回答するときは質問者以外にも視線を配る
医学部の面接試験で,完全1対1の面接はそう多くありません。
複数の面接官がいることがほとんどです。
複数の面接官がいる場合は, 質問をしている面接官の顔をきちんと見ます。
うなづく際の動作は少し大袈裟に, よく聞いているぞと態度で示しましょう。
答える時は, 質問者以外の面接官の顔もちらっと見るように配慮します。
何気ない口癖がネガティブな印象を与えるので注意する
質問に答える度に「はい」と応えてから, 回答すると印象が良くなると思います。
気をつけるのは, 口癖です。
「○○です, は〜い」とドヤ感出した口癖を何度も言っちゃう人, 気をつけましょうね。
他にも,何気ない口癖にも注意が必要です。
「ま, 〇〇です」「まあ, 〇〇です」「えっと〜, 〇〇で」といった普段意識していない口癖が, 初めて会う人には非常に印象に残ってしまうものです(もちろんネガティブな)。
また, すぐに回答できない場合は, 黙って下を向いて考え込むのではなく, 「〜ですよね?少し考えてもよろしいでしょうか」くらいは断ってから, 考えるようにしましょう。
あくまで, 会話のやり取りがスムーズに進行することを意識してください。
面接の答え方をシチュエーション別に解説!
面接では内容はもちろん,答え方も大切だということをご理解いただけたかと思います。
ここからは質問項目別に正しい答え方をお伝えします。
志望理由を聞かれたら:暗記した内容をスラスラと答える
ほとんどの大学があなたに志望理由を聞いてきます。
志望理由は必ず準備して臨みましょう。
志望理由は,複数あることがほとんどだと思います。
その場合,「貴学を志望する理由は3つあります」のように, 項目の数を先に伝えると相手は安心して聴く準備ができます。
仮に3つあるとしたら, 2つ目までは軽めに, そして最後に,長めのインパクトの強い理由を持ってくると効果的 です。面接官が次の質問をするとき, 一番記憶に残っているのは最後の理由だからです。
そして, 医師志望理由と本学志望理由はスラスラと言えるよう暗記しておくことが大切です。
本気で志望しているなら何度も練習しているのが当然ですし, 面接官からしても「よく準備してきたな」という印象を持つからです。
他にも大学の創設者の名前と略歴, 創設年, 建学の精神, 教育理念, アドミッションポリシー など, 基本的な大学情報は必ず覚えておきましょう。
答えに窮する質問をされたら:素直に分からないと答える
難解な質問や,答えに窮する質問をされた時は, 「すみません,そこまで考えたことはありませんでした。勉強不足です」と素直に言っても大丈夫。
「これから, 一生懸命勉強します」と最低限, 学ぶ意欲を見せてください。
面接官は, この学生を育てたい, うちの大学で働いてほしい, 将来はきっといい医師または研究者になるだろう, と期待して面接しているはずです。
謙虚に学ぶ姿勢, 医師となって社会貢献したいという熱い思い, そして, 大学や組織に対しての忠誠心を持ってもらえる人を望んでいると思います。
まだ未熟な学生に細かい医学的知識を尋ねる意味など感じていないはずです。
答えを準備していない質問をされたら:必ず一言声をかける
準備してない質問内容については, 焦らず, 落ち着いて考えをまとめてから回答するべきでしょう。
その際,「少し考えてもいいですか」と一言伝えるのを忘れないでください。
黙って下を向かれてしまうと,いつ回答してくれるのか面接官も不安になります。
そして, 結論だけをできるだけ簡潔に答えることを勧めます。
「なぜ, そう考えましたか?」と面接官に更なる質問を誘導したいからです。
質問が続くことで会話のキャッチボールができて, 印象としても「コミュニケーション力がある子だな」と, プラス査定になるはずです。
知識を語る質問をされたら:引用元を伝えると効果的
質問の回答内容が,学生の知識や教養レベルを超えていると,誰かに入れ知恵されているんではないか,と疑う面接官もいます。
そこで回答する内容が自分の教養レベルを超えていると自覚しているときは,
- 「〇〇という本にあったのですが,」
- 「ある医師の講演会で聞いたのですが」
- 「父からよく聞かされているのですが」
と先人の知恵を借りて答えると良いでしょう。
終わりよければ総て良し! 面接の終わり方
終わり良ければ総て良し,という言葉があるように,面接の終わり方も大切です。
退室するまで気を抜かないように注意しましょう。
「最後に何かありますか?」と聞かれたら10秒以内で思いを伝える
面接が終わる際, 「これで面接は終わりです」と言われるでしょうから, 「ありがとうございました。いい医師になるために, 一生懸命頑張って勉強します。」くらいは最後に言ってもいいと思います。
大学によっては, 「最後に言いたいことはありますか」とチャンスをくれる場合があります。
必ず事前にセリフを準備しておきましょう。
その際気をつけるのは, 大体10秒以内に簡潔に思いを伝えることです。
長々話し始めると「わかった, わかった, もういいから, そこまで聞いてないよ」なんて, かえって呆れられてしまいます。
退室のコツは「2回の礼」
席を立ったら, 椅子の位置を直すがごとく軽く触ります。
一旦椅子の横で気をつけの姿勢で「失礼いたします」と一礼,し ドアの前でも振り返って一礼します。
外に出たら, 両手でドアノブを持って, 丁寧にドアを閉めます。
最後まで気を抜かないようにしてください。
家に帰るまでは「誰かに見られている」と考える
面接試験は, 家を出てから, 家に帰るまで終わっていないつもりで過ごしてください。
面接会場を出た後も気を抜かず, 姿勢を良くして帰路についてください。
会場を出た瞬間にスマホを見るのは控えた方が良いです。
廊下や構内の意外な場所で, 大学職員に見られているかもしれません。
実際, 面接の様子を録画している大学もあります。
本記事のまとめ
いかがだったでしょうか。
医学部入試の面接試験は面接の作法でも大きな差がつくものです。
入室の直後から採点が始まり、家に帰るまでは採点され続けていると意識してください。
他にも医学部の面接試験でよく聞かれる質問と、その答え方についてこちらの記事にまとめています。
ぜひ、合わせてご確認ください。
医学部の面接試験のよくある質問と答え方を徹底解説!【回答例付】
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この記事の他にも、医学部専門予備校D組では、医学部受験生にお役立ち情報を多数公開しております!
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