小論文科
指導方針
医学部小論文は「医師になるための資質」の有無をテストするものです。患者の苦しみを受け止めて人間的ケアを実践できる人か、それともマニュアル的対応しかできない人かは、その人の文章を読めば分かります。 暗記した知識を機械的に貼り付ける方法は通用しません。毎回の授業では人間の生老病死にまつわる「答えのない問い」について全員で議論し、各自の考えを文章にまとめる練習を行い、確かな思考力と論述力を養っていきます。
カリキュラム
すべてのコース
(トップレベル・ハイレベル・スタンダード・プログレッシブクラス)
前期・後期は奇数週で講義(インプット),偶数週で課題演習(アウトプット)。最終講には1日完結のスペシャル企画あり。語彙力や文法力を養うため、講義で毎回「3分間文章力テスト」を実施。
- (前期)
- 医学部小論文ガイダンス
- 第1講 医学部小論文では何が試されるのか? あなたはどんな医師を目指すのか?
- ロジックを組み立てる
- 第2講 「事実」と「意見」で文章を書く(自分の体験→意見)
- 第3講 「事実」と「意見」に「理由づけ」を加えて文章を書く(三角ロジック)
- 第4講 「対立意見」とそれへの「反論」を加えて文章を書く(対話型論証モデル)
- 文章を組み立てる
- 第5講 「パラグラフ・ライティング」でまとまりのある文章を書く
- 第6講 「序論-本論-結論」の構成で小論文を書く
- 第7講 文章読解力と要約力を身につける
- (夏期)
- 医学部小論文頻出テーマ演習
- 第1講 患者中心の医療とは?(IC、患者の意思の尊重、患者との信頼関係の構築)
- 第2講 終末期医療の課題(QOL、延命治療、緩和ケア、ホスピス、在宅ケア)
- 第3講 安全と安心(EBMとNBM)
- (後期)
- 現代社会への関心を深める
- 第1講 多様性と向き合う(シンパシーとエンパシーの違い)
- 第2講 多様性と向き合う(マジョリティとマイノリティ)
- 第3講 障害の捉え方(医学モデルから社会モデルへ)
- 現代医療への関心を深める
- 第4講 医療におけるAIの活用
- 第5講 医師として働くこと(医師不足・医師の偏在・医師の働き方改革)
- 第6講 先端医療技術の問題点(遺伝子診断、遺伝子操作など)
- 第7講 NBM(ナラティヴ・ベースド・メディスン)の実践ワークショップ